林原めぐみの声優経歴を振り返ると、日本のアニメーション史そのものと重なる圧倒的な足跡が見えてきます。1980年代後半のデビュー以降、彼女が演じてきた主要キャラクターは、いずれも単なるヒット作にとどまらず、アニメ史に刻まれる金字塔ばかりです。
代表的なキャラクターの系譜を紐解くと、その表現の幅広さに驚かされます。1989年の『らんま1/2』(早乙女乱馬〈女〉)で見せたテンポの良い勝気な演技、1995年の『スレイヤーズ』(リナ=インバース)における痛快無比な暴れっぷり、同年の『新世紀エヴァンゲリオン』(綾波レイ)での感情を極限まで削ぎ落とした無機質なウィスパーボイスは、まさに90年代のカルチャーを決定づけました。
さらに、1997年放送開始の『ポケットモンスター』(ムサシ)ではコミカルで情に厚い悪役を演じ、1998年の『カウボーイビバップ』(フェイ・ヴァレンタイン)では奔放で退廃的な大人の女性の孤独を見事に表現。そして1999年から演じ続ける『名探偵コナン』(灰原哀)は、現代に至るまで圧倒的な支持を集める国民的キャラクターとなっています。