スーパースポーツのコクピットは、コンマ一秒を削るための前傾姿勢と空力性能を最優先に設計されています。一般的なネイキッドやツアラーのように、ハンドルバーへ汎用クランプをそのまま取り付けるスペースは存在しません。ZX-10Rにおいてホルダー設置を困難にしている要因は、主に以下の3点に集約されます。
第1に、セパレートハンドルのクランプ代の枯渇です。スイッチボックスとマスターシリンダー、レバーホルダーでハンドルバーの直線部分は完全に埋まっており、一般的な22.2mmパイプクランプを噛ませる余白がありません。
第2に、電子制御ステアリングダンパーとのクリアランス問題です。トップブリッジ中央前方にステアリングダンパー本体およびリンクアームが配置されているため、ステムホール周辺の作業空間やボルトアクセスに制約が生じます。
第3に、フルステアリング時のスクリーンおよびタンクとの干渉です。ハンドルを左右にフルロックまで切った際、メーターバイザーやインナーカウル、フューエルタンクとの隙間はミリ単位まで詰まります。ホルダー本体やスマホの角がカウルに接触すると、傷の原因になるだけでなく転倒や立ちゴケのリスクに直結します。