うちはサラダの覚醒劇を人間ドラマおよび物語構造の観点から読み解くと、本作が描こうとしている「世代交代とトラウマの克服」という普遍的テーマが鮮明になります。
かつて昭和から平成のジャンプ作品を牽引した『NARUTO』は、一族の血筋、連鎖する憎悪、親世代の宿業といった「逃れられないトラウマ(呪い)」との闘いでした。しかし令和の『BORUTO』において、サラダはその呪縛を親の背中を見つめ直す自立心と、他者への純粋な信頼によって突破しました。
家族社会学における「世代間連鎖の断絶」を体現したサラダの姿は、旧来の血統主義的な重苦しさを爽快に払拭しています。これから原作を追う読者にとっても、彼女の瞳術は単なるバトルのパワーアップにとどまらず、新時代の希望を象徴する道標として鑑賞するのが最も味わい深い見方といえます。