ジャンプGIGAの完結編では、超能力を完全に失った楠雄のリアルな苦悩と人間的な成長が克明に描かれました。
テレパシーが使えなくなった楠雄は、周囲の人々が何を考えているのか分からず、かつて疎ましく思っていたクラスメイトたちの行動に困惑します。しかし、声が直接頭に流れ込んでこないからこそ、燃堂力、海藤瞬、窪谷須亜蓮といった仲間たちが、言葉や態度で自分をどれほど大切に想ってくれていたのかを、生まれて初めて「肌感覚」で理解することになります。
そんな穏やかな日常に、突如として未曾有の危機(新たな天変地異の兆候)が襲いかかります。超能力を持たない無力な一般人となった楠雄の目の前で、大切な仲間たちが命の危機に瀕する事態が発生しました。
そこで楠雄が下した決断は、「平穏な一般人としての人生」を捨てることでした。彼は空助が万が一のために用意していた予備の制御装置を自ら外し、「やれやれ、世界を救ってやるか」と心の中で呟きながら、自らの意志で超能力者として生きる道を選び直したのです。
生まれ持った呪縛として超能力を忌み嫌っていた主人公が、最後は「仲間を守るための力」として肯定的に受け入れるという、ギャグ漫画の枠組みを超えた見事なカタルシスがここに完成しました。