デスクトップPCを床に直置きする最大の弊害は、室内環境における空気の流れと粉塵の沈降特性にあります。空気中に浮遊する微粒子やチリ、衣類から出る繊維くず、ペットの毛などは、人が移動するたびに舞い上がり、静止すると床から数センチの低高度エリアに高密度で滞留します。デスクトップPC床置きホコリ問題の根本は、この粉塵だまりの真ん中に強力なファンを持つ吸気口を配置してしまう構造的欠陥にあります。
ハードウェア内部への異物混入は、単なる美観の問題にとどまりません。冷却ファンの軸受部分にホコリや髪の毛が巻き付くと回転数が低下し、異音の発生やモーターの焼き付きを招きます。さらにヒートシンクのフィンが繊維ゴミで覆われると熱交換効率が劇的に悪化し、CPUやグラフィックボードが高温に達してサーマルスロットリング(過熱防止のための自動性能制限)が頻発します。これがパソコン直置き故障理由の筆頭に挙げられる熱循環の崩壊プロセスです。
特にグラフィックスカードの消費電力と発熱量が跳ね上がっている昨今、ゲーミングPC床置き対策の不備は致命傷になりかねません。底面から冷気を取り込んで上部や背面から排熱する「煙突効果」を取り入れたケース設計では、床置きによる吸気抵抗の増大が筐体内部全体の窒息状態を生み出し、パーツ本来のスペックを著しくスポイルしてしまうのです。