アメコミファンの間でも意外と知られていないのが、原作コミック『Amazing Fantasy #15』(1962年8月刊行)における実際の描かれ方です。スタン・リーが原作を手掛け、スティーブ・ディッコが作画を担当した記念すべきスパイダーマンのデビュー作において、この名言は「物語の結びを飾るナレーション(キャプションボックス)」として登場しました。
作中ラストのコマに記された英語テキストは次の通りです。
「...AND LEANING SILENTLY INTO THE GROWING DARKNESS, WE FIND AT LAST, THAT IN THIS WORLD, WITH GREAT POWER THERE MUST ALSO COME -- GREAT RESPONSIBILITY!」
(そして、深まりゆく闇の中へと静かに歩み去る彼を見て、私たちはついに知る。この世界において、大いなる力には、必ずや大いなる責任が伴わなければならないことを!)
強盗を見逃した自らの慢心によって最愛のベンおじさんを亡くし、孤独に夜の街へ消えていくピーター・パーカーの後ろ姿に添えられた教訓のナレーションこそが、すべての始まりでした。コミック初期において、ベンおじさんが生前にピーターへ遺した言葉という設定は存在せず、後のアニメシリーズや派生コミック、そして実写映画化のプロセスの中で、師父としてのベンおじさんのセリフへとドラマチックに昇華されていきました。