ネット上の美容掲示板などでまことしやかに囁かれる「リンスで整えてからコンディショナーで蓋をする」といったケア手法ですが、毛髪科学の観点から断言すれば、リンスとコンディショナー両方使う必要性は完全にゼロです。
なぜ併用が無意味なのか。その決定打となるのがリンスとコンディショナーの併用NGの真相である「作用メカニズムの重複」です。両製品とも主成分は、第四級アンモニウム塩などの陽イオン界面活性剤(カチオン界面活性剤)と、シリコーンオイルや高級アルコールなどの油分です。これらはマイナスに帯電した髪の表面に吸着し、摩擦係数を下げて静電気を抑える働きを持っています。
髪の表面にある受容基(吸着できるポイント)の数には上限があります。リンスを塗布した時点で表面はコーティングされるため、その上からコンディショナーを重ねても成分は毛髪に定着できず、ほとんどが排水口へと流れ落ちてしまいます。それどころか、以下の深刻なデメリットが発生します。
- 残留油分によるビルドアップ:落ちきらなかった油性成分が酸化し、髪がゴワゴワと硬化する。
- 頭皮の毛穴詰まり:過度なコーティング剤が地肌に付着し、フケ、かゆみ、ニオイの原因になる。
- ドライヤー時間の長期化:油膜が余分な水分を抱え込み、熱風を長時間当てざるを得なくなり熱ダメージが加速する。
したがって、日常のお手入れにおいて「リンスかコンディショナーか」は完全に二者択一であり、両方使うのは時間と費用の浪費にほかなりません。