徐行とは時速何キロ?「直ちに停止」の真相と道交法の落とし穴

徐行とは時速何キロ?「直ちに停止」の真相と道交法の落とし穴

徐行とは時速何キロ?「直ちに停止」の真相と道交法の落とし穴とは一体何なのか? 専門的な分析を丁寧に紐解いて紹介します。

SNSやネット掲示板の車コミュニティでは、徐行に関する誤った認識が散見されます。特に多い3つの誤解を検証します。

誤解1:「オートマ車のクリープ現象で進めばすべて徐行になる」

アクセルを踏まず、ブレーキから足を離しただけの「クリープ現象」による速度は、平坦路でおおよそ時速5〜8km程度です。この状態であれば徐行の範囲内に収まるケースが多いのは事実です。しかし、下り勾配ではアクセルを踏まなくても時速15km以上に達することがあります。速度計を確認せず「ペダルを踏んでいないから徐行だ」と思い込むのは危険です。

誤解2:「徐行標識がなければ見通しの悪い交差点も徐行不要」

道路交通法第42条の規定は、標識がなくても適用されます。信号機のない住宅街の見通しの利かない交差点では、標識が立っていなくても法的な徐行義務が発生します。事故が起きた場合の過失割合の算定においても、徐行の有無が決定的な過失の差となって現れます。

誤解3:「ハザードランプを点けていれば遅く走るだけで徐行扱い」

路肩や商業施設の敷地付近でハザードを点滅させながら時速20km前後で進む車が見られますが、法的な徐行基準を満たしていません。周囲に注意を促す合図を出していても、直ちに停止できない速度であれば徐行とは認められません。

【プロの結論】焦燥感の心理バイアスを排除し「いつでも止まれる構え」を徹底する

なぜドライバーは徐行を怠ってしまうのか。そこには「この道は普段誰も飛び出してこない」「ブレーキを踏み直すのが億劫だ」という正常性バイアスと横着の心理が働いています。特に住宅街や見通しの悪い細街路では、「アクセルから足を完全に離し、ブレーキペダルの上に足を乗せた状態(構えブレーキ)」で進入する習慣が不可欠です。時速10km以下という数字は極めて遅く感じられますが、その数秒の減速が重大事故を防ぐ唯一の防壁となります。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。