市販されているきのこの中で、鮮度が高ければ唯一生で食べられるのがマッシュルームの特長です。新鮮なホワイト種を主役にしたサラダでは、マッシュルーム生食切り方の精度が料理全体の完成度を決めます。
生のまま食べる場合、最も適しているのがマッシュルーム薄切りスライスです。厚みは1〜2mm程度を目安にします。薄く均一に切ることで、口に含んだ瞬間に心地よいシャキッとした歯ざわりが生まれ、噛むほどにナッツのような上品な香りが広がります。厚すぎるとモソモソとした重い食感になり、逆に薄すぎると存在感が薄れてドレッシングの水分でしんなりしてしまいます。
スライスする際は、カサと軸をつけたまま縦半分に割り、切り口を下にして安定させてから端から薄く刃を入れていくと、初心者でも崩れずに均一な厚みでカットできます。
生食で避けて通れないのが、切断面の黒ずみ(褐変)です。マッシュルームに含まれるポリフェノール化合物が、空気に触れることで酸化酵素(ポリフェノールオキシダーゼ)の働きによってメラニン色素へと変化します。この現象を防ぐ決定打となるのが、マッシュルーム変色防止レモン汁の活用です。
スライスした直後にレモン果汁をさっと振りかけるか、水200mlに対してレモン汁小さじ1を加えたレモン水に5〜10秒ほどくぐらせてペーパーで水気を取ります。レモンに含まれるビタミンC(アスコルビン酸)の還元作用とクエン酸のpH低下作用により、酵素の働きが強力にブロックされ、抜けるような白い美しさを長時間維持できます。