結論から言えば、乗り物酔いしやすい体質の人は高確率で酔うアトラクションです。ネット上の体験談でも「USJの中で最も酔いやすい」という評価が定着していますが、これには明確な技術的・生理学的理由が存在します。
フォービドゥン・ジャーニーの座席は、ドイツの産業用ロボット大手・KUKA社が開発したロボットアームの先端に4人掛けベンチ(エンチャンテッド・ベンチ)を固定する構造を採用しています。レール上を連続走行しながら、アームが上下左右、さらには仰向け(ほぼ水平)まで座席をダイナミックに傾けます。これに半球型スクリーンのドーム映像が完全に同期することで、箒に乗って急上昇・急旋回している感覚を脳に錯覚させる仕組みです。
ここで問題となるのが、医学的に「感覚不一致説(Sensory Conflict Theory)」と呼ばれる現象です。視覚が捉える超高速飛行の映像と、内耳の三半規管が感知する実際の加速度や傾きに微小なズレが生じることで、自律神経が乱れて強烈な吐き気やめまいが引き起こされます。
なお、2018年のリニューアルにおいて3Dメガネが廃止された理由は、肉眼でクリアに見えるハイフレームレート(120fps)・4K高精細映像への刷新により、3Dメガネ特有の暗さや映像ブレ、装着時の不快感を解消するためでした。メガネ廃止によって視界の明瞭度は劇的に向上したものの、激しい身体の傾きと超リアルな飛行映像の組み合わせ自体は変わらないため、酔いやすさがゼロになったわけではありません。
乗車時に酔いを最小限に抑えるための具体的な対策は次の通りです。
- 搭乗30〜60分前の酔い止め薬服用:最も効果が高い防御策です。パーク来園前にアネロンやトラベルミンなどの市販薬を服用しておくと耐性が大きく向上します。
- 視線を常に中央へ固定する:映像の端やスクリーンの外枠、他の座席を見ようと視線を動かすと、脳の混乱が加速して酔いが増幅します。
- 体調管理と胃のコンディション:満腹状態やすきっ腹、寝不足での搭乗は避けてください。乗車直前の水分過多も胃もたれの原因になります。
- どうしても耐えられない時は目をつぶる:視覚情報を遮断すれば感覚のズレがリセットされ、アームの揺れだけに集中できるため、酔いの進行を食い止められます。