沖縄の春を代表する伝統行事「シーミー(清明祭)」は、旧正月、旧盆と並ぶ沖縄三大年中行事のひとつに数えられる大規模なお墓参り行事です。中国の伝統的な二十四節気の第5節気「清明節」に由来し、琉球語(しまくとぅば)の独特の発音で「シーミー」として定着しました。
歴史的な公的記録を紐解くと、琉球王府の正史『球陽』には、1768年(乾隆33年)に尚穆王が首里の王家陵墓「玉陵(たまうどぅん)」で清明祭を挙行したことが明記されています。冊封使を通じて中国・福州地方から伝来した祖先祭祀の儀礼が王室の公式行事となり、19世紀中頃にかけて首里・那覇の士族階級から本島中南部の農村、庶民層へと波及していきました。数百年を経た現在も、春の訪れを告げる文化的アイデンティティとして県民生活の根底に息づいています。
シーミーが執り行われる時期は、毎年新暦の4月上旬から中旬にかけての約2週間です。具体的には二十四節気の「清明」の節に入ってから、次の節気である「穀雨(こくう)」の前日までの期間を指します。2026年における清明の節入りは4月5日(日)であり、穀雨の前日である4月19日(日)までの期間が最も賑わうハイシーズンとなります。多くの家庭では、親族が集まりやすいこの期間中の日曜日(4月5日、12日、19日)に合わせて墓前に集結します。
地域や門中によっては、まず元祖(始祖)の墓を親族総出で参る「神御清明(カミシーミー)」を行い、その翌週以降に各家庭に近い直近の先祖の墓を参る「門中清明(ムンチューシーミー)」へと段階を踏んで進める厳格な習わしも堅持されています。