「ここまで安いと品質に致命的な欠陥があるのではないか」という疑念を持つ読者も少なくないだろう。しかし、ここには日本の消費者特有の誤認が存在する。最も代表的な誤解が、「賞味期限」と「消費期限」の混同である。
食品衛生法およびJAS法において、「消費期限」は品質が急速に劣化しやすい生鮮食品などに表示される「安全に食べられる期限(安全の限界)」を指す。一方、「賞味期限」はスナック菓子や缶詰、レトルト食品など長期保存が可能な品目に表示される「美味しく食べられる目安の期限」に過ぎない。公的機関の試験でも証明されているように、賞味期限を数日あるいは数週間経過したからといって、直ちに健康被害が生じることは科学的にあり得ない。
もうひとつの盲点は、メーカーの「ロットブレ」や「デザイン微変更」による返品在庫だ。外装フィルムの印字位置が数ミリずれた、限定コラボキャンペーンの期間が終了した、あるいは春先にお正月用パッケージが余ってしまった――これらは中身の食品自体が一切無傷であるにもかかわらず、大手量販店では納品拒否の対象となる。「松戸激安ドットコム」が扱うのは、まさにこうした流通の隙間で弾き出された優良在庫であり、決して品質劣化品を売りつけているわけではない。
ただし、購入側にもリテラシーが求められる。炭酸飲料は賞味期限が近づくと炭酸ガスが微量に抜けて刺激が弱まる傾向があり、ポテトチップスなどの油菓子は酸化によって風味が落ちることがある。買い溜めする際は、「家族の人数で確実に消費し切れる量か」を冷静に逆算することが失敗を防ぐ鉄則だ。