法整備が進んでいないわけではない。侮辱罪の法定刑引き上げや発信者情報開示手続きの簡素化など、法曹界も包囲網を狭めてきた。しかし、技術的な「いたちごっこ」は依然として加害者側に有利な傾斜を描いている。
海外法人のノーログVPNを経由したアクセス、暗号化チャットツールを使った分散型の役割分担、さらにはアカウントの使い捨て運用など、追跡を逃れる手法は年々狡猾さを増している。開示請求の決定が出る頃には、ターゲットにされた側のキャリアはすでにズタズタに引き裂かれており、民事賠償を勝ち取ったとしても失われた時間や精神的平穏は二度と戻らない。