「今夜はエンジェルのドラマ」とは?ヤヌスの鏡と杉浦幸・椎名恵の現在

「今夜はエンジェルのドラマ」とは?ヤヌスの鏡と杉浦幸・椎名恵の現在

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ドラマの熱狂を支えた主題歌「今夜はANGEL」には、1980年代の洋楽シーンと日本のテレビドラマ制作が交差した劇的な誕生背景が存在します。

世界的大ヒット映画の劇中歌が原曲

「今夜はANGEL」の原曲は、1984年に公開されたウォルター・ヒル監督の米アクション映画『ストリート・オブ・ファイヤー(Streets of Fire)』の劇中歌「Tonight Is What It Means to Be Young(邦題:今夜は青春)」です。手掛けたのは、ミートローフやボニー・タイラーのメガヒット曲を生み出し、壮大なロックオペラ様式で世界を震撼させた希代の音楽家、ジム・スタインマン(Jim Steinman)でした。

当時、大映テレビは洋楽のメガヒット曲に日本語詞を乗せてドラマ主題歌に採用する手法を得意としていました。『スクール☆ウォーズ』の「ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO」(ボニー・タイラー原曲、麻倉未稀歌唱)、『スチュワーデス物語』の「ホワット・ア・フィーリング」(アイリーン・キャラ原曲、麻倉未稀歌唱)などに続く起死回生の一手として白羽の矢が立ったのが、この「Tonight Is What It Means to Be Young」だったのです。

椎名恵が吹き込んだ「魂の日本語詞」とデビューの軌跡

原曲の壮大なスケールに負けない歌唱力を持つシンガーとして抜擢されたのが、本作がメジャーデビューとなった椎名恵でした。シングルは1986年1月1日にリリースされ、オリコンチャートの上位に長期ランクインする大ヒットを記録します。

注目すべきは、椎名恵自身が日本語詞の作詞(ジム・スタインマンとの共作名義)を担当している点です。原曲が持つ疾走感ある若者の焦燥感を保ちつつ、ドラマのテーマである「傷つきながら孤独な夜を駆け抜ける魂」を見事に日本語へ昇華させました。

後年の公式回顧録やインタビューにおいて、椎名恵は自らにとって「今夜はANGEL」が「セカンドバースデーのような、新しい自分が生まれた曲」であったと述懐しています。さらに彼女は、「カバーは、時の流れに埋もれてしまった歌に、あらためて生命を与えることが出来る。シンガーのひとつの役割だと思っています」と語っており、単なる既存曲の流用ではなく、作品とシンパシーを重ね合わせた真のクリエイティビティが込められていたことが窺えます。

佐藤 大輔
著者

佐藤 大輔

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