放送前、世間の一部からは「反町のイメージが強すぎる」「EXILEメンバーの主演起用は話題先行ではないか」という厳しい視線が注がれていました。しかし第1話がオンエアされるや否や、そうした懐疑的な見方は一変します。最大の要因は、AKIRAという表現者が持っていた規格外のフィジカルと原作リスペクトの深さにありました。
当時のインタビューや特番での証言によると、原作者の藤沢とおるは実写化にあたり「鬼塚を演じられるのはAKIRA氏しかいない」と熱烈にオファーを出したと明かしています。藤沢が惚れ込んだのは、AKIRAが持つ長身躯体の迫力と、ダンサーとして極限まで鍛え抜かれた肉体美、そして笑った際に見せる少年のような無邪気さの同居でした。
劇中で見せたスタント無しのドロップキックや、壁を素手やハンマーで破壊する暴力的なまでの突破力は、CG全盛の時代にあって生々しい説得力を放ちました。AKIRA自身、自著や当時の取材において「反町さんが築いた伝説をなぞる気は毛頭なかった。自分が演じるべきは、原作の藤沢先生が生み出した泥だらけの鬼塚英吉そのものだ」と語っています。決して器用な芝居巧者ではないものの、感情を腹の底から絞り出すような咆哮と、生徒の痛みを全身で受け止める受容の芝居は、視聴者の心を揺さぶるに十分な熱量を宿していました。