廃盤となった過去の味をめぐっては、インターネット上のコミュニティやSNS上で今なお熱量の高い議論が交わされています。X(旧Twitter)や各種掲示板、Q&Aサイトに投稿された過去10年以上のユーザーの声を分析すると、特定のフレーバーに対する強烈な愛着と、記憶の美化だけでは片付けられない具体的なエピソードが数多く散見されます。
特に再販を望む声が圧倒的に集中しているのが、「青りんご」「オレンジ」「パイナップル」の3大クラシックフレーバーです。長年フルーチェを愛好してきた30代〜40代のユーザーからは、次のような切実な証言が寄せられています。
「熱を出して学校を休んだ日、母が作ってくれたのが青りんごのフルーチェだった。あの独特の爽やかな香りと優しい甘酸っぱさは、今でも風邪をひくたびに思い出す。イチゴはいつでも買えるのに、なぜ青りんごは売ってくれないのか」(40代・主婦)
「子どもの頃、夏休みになると決まってパイナップル味のフルーチェを凍らせてシャーベットにして食べていた。シャリシャリした食感とミルクのコクが絶品だった。もう一度あの味を自分の子どもにも食べさせてあげたい」(30代・会社員)
食品メーカーのお客様相談室に寄せられる「再販要望」の中でも、デザート関連の廃盤フレーバーに対する問い合わせは極めて感情的な結びつきが強い分野として知られています。単にお腹を満たす食品ではなく、幼少期の家族の団らんや親の愛情といった「原体験の記憶」と不可分に結びついているため、終売に対する喪失感が他カテゴリーの商品よりもはるかに深いのです。