ネット上の掲示板やSNSでは、敗戦直後「本田がCKを蹴らずにキープしていれば」「山口蛍がイエローカード覚悟でデ・ブライネを倒していれば防げた」といった特定の個人を責める短絡的な声が散見されました。しかし、トッププロの視点や戦術的データはこの誤解を明確に否定しています。
第一に、あのCKはチームとして「仕留めに行く」という合意形成のもとで行われたものであり、キッカー個人の独断ではありません。ベンチを含めた全員が勝利を掴むために選択したリスクテイクでした。
第二に、デ・ブライネに対するファウルについても、彼がボールを受けた瞬間に日本のディフェンス陣との間には数メートルの間隔があり、物理的に「手を伸ばしてファウルをする」ことすら難しいスピード差が存在していました。ファウルを狙って不用意に飛び込めば、簡単にかわされてさらに決定的な数的優位を作られるリスクがあったのです。
真の問題は、個人のプレー判断ではなく、「2点リードした後の試合の終わらせ方」「勝負どころにおけるチーム全体のリスク管理(レストディフェンスの設計)」という組織的構造にありました。