本作の成功を決定づけた最大の原動力は、間違いなく岐洲匠と八木勇征によるW主演のキャスティングです。体育教師・佐原一狼を演じた岐洲匠は、高身長で包容力あふれるビジュアルの中に、時折見せる大人の諦念や弱さを巧みに滲ませました。一方、ヤンキーでありながら一途で透明感あふれる土岐奏を体現した八木勇征は、鋭い眼光と照れ笑いのギャップで観客を圧倒。八木が放つ野生味とピュアネスの絶妙な配合が、土岐というキャラクターに血肉を通わせました。
当時の制作発表記者会見や専門誌のインタビューにおいて、八木勇征は「土岐の純粋なパワーに自分自身が引っ張られた。佐原先生を見つめる瞳には一切の嘘がないように意識した」と語り、岐洲匠もまた「八木くんが放つエネルギーを真正面から受け止めることで、自然と佐原の感情が引き出された」と回顧しています。現場スタッフの証言によれば、リハーサルの合間にも二人は綿密にセリフの間や視線の動線を擦り合わせており、即興的な芝居の掛け合いが本編に多数採用されたといいます。
さらに脇を固めるキャスト陣の存在感も見逃せません。土岐のクラスメイトである利瀬竜樹役の曽野舜太(M!LK)、藤堂慎治役の松本大輝、拓也役の百瀬拓実らが織りなす等身大の高校生活が、物語に豊かなリアリティと清涼感をもたらしました。主題歌であるWATWINGのオープニング主題歌「Let's get on the beat」の軽快なリズムと、アツキタケトモによるエンディング主題歌「#それ以外の人生なんてありえないや」の切なくもエモーショナルな旋律が、彼らの瑞々しい青春を完璧に彩っていました。