大手コミュニティサイトやSNS、美容医療相談窓口に寄せられた膨大な体験談を分析すると、埋没毛に悩む生活者のリアルな葛藤が浮かび上がってきます。多くの投稿に見られるのは、「一瞬の好奇心や衝動による後悔」です。
20代女性の手記には次のような生々しい告白が綴られています。「お風呂上がりに脚を見たら、薄皮の下で毛がくるくると蚊取り線香のように丸まっていた。先端が少し見えている気がして眉用ハサミとピンセットでカリカリと皮を剥がしたら、血が止まらなくなった。結局、毛は途中で千切れて奥に残ったまま。翌朝には真っ赤に腫れ上がり、1年経った今でもそこだけ茶色いシミとして残っている」。
皮膚科の臨床現場においても、看護師や医師が口を揃えるのは「患者自身が針で突いて感染を起こした状態で来院する事例の多さ」です。初診時には「ただの黒い点だった」ものが、自力で処置を試みた結果、親指大の硬結(しこり)や膿疱へと悪化し、切開排膿を余儀なくされるケースが後を絶ちません。現場の皮膚科医は「毛が埋まっていること自体は、痛みや赤みがなければ病気ではない。肌の代謝とともに自然に脱落するケースが大半なのに、無理にいじることで自ら病的な状態を作り出している」と指摘します。