「炭水化物を減らすと空腹感に耐えられない」「野菜をたくさん食べたいけれど下ごしらえが面倒」という悩みを一気に解消する手段として、多くのダイエッターがたどり着くのが具沢山味噌汁です。ネット上でも話題となる具沢山味噌汁ダイエット痩せた理由を深掘りすると、単なる摂取カロリーの削減にとどまらない、人体の代謝メカニズムに即した合理的な理由が存在します。
第一に挙げられるのが、咀嚼(そしゃく)による満腹中枢の刺激と、食物繊維による血糖値コントロールです。大きく切った野菜やキノコ類を噛みしめる行為は、食事開始から約15分から20分で分泌される満腹ホルモン「レプチン」の放出を促します。さらに、温かい汁物が胃腸を温めることで血流が促進され、内臓の働きが活性化。これにより、白米の量を半分に減らしても強い飢餓感に襲われることがありません。
都内のクリニックで栄養指導を行う管理栄養士は、現場での観察から次のように指摘します。
「無理な食事制限でリバウンドを繰り返す方の多くは、食事全体のカサが足りずに胃の受容器が刺激されていません。具材が器の7割以上を占めるような味噌汁を食事の最初に食べるだけで、後から入ってくる糖質の吸収スピードが緩やかになり、インスリンの過剰分泌を防ぐことができます」
また、栄養バランス改善効果の真相として見逃せないのが、水溶性栄養素の回収率です。ビタミンB群やビタミンC、カリウムなどの水溶性成分は、茹でこぼすとその大半が茹で汁に溶け出してしまいます。しかし汁物であれば、溶け出した栄養素をスープごと丸ごと摂取可能です。ここに大豆発酵食品である味噌が加わることで、腸内環境改善と発酵食品の健康効果が相乗的に発動。味噌に含まれる善玉菌の餌となるオリゴ糖や食物繊維が同時に届く「シンバイオティクス」の状態が一杯の椀の中で完成します。