中村正人のキャリアを語る上で欠かせないのが、波乱に満ちた生い立ちとバンド結成初期のドラマです。実家の父親は厳格な人物で、当初は息子が音楽の道へ進むことに猛反対していました。しかし中村は自らの情熱を貫くため、様々なサポートミュージシャン活動やCM音楽制作で下積みを経験。とんねるずのバックバンドなどを務めながら演奏力とアレンジスキルを磨き上げました。
1988年、圧倒的な歌唱力を持っていた吉田美和、そしてキーボードの西川隆宏とともに「CHA-CHA & Audrey's Project」を経てDREAMS COME TRUEを結成。1989年のメジャーデビュー以降、『決戦は金曜日』『LOVE LOVE LOVE』などミリオンセラーを連発し、瞬く間に国民的グループへと登り詰めました。
しかし、2002年にキーボードの西川隆宏がグループを電撃脱退します。脱退理由について当時は「音楽性の違い」「自身の音楽的自立」と発表されましたが、後に西川の私生活をめぐる問題やトラブルが重なり、グループのイメージや活動継続を守るための苦渋の決断であったことが広く知られるようになりました。中村正人は西川の脱退後も彼の将来を案じ続け、公式の場でもリスペクトを失わない発言を続けるなど、リーダーとしての器の大きさを示しています。