「折り紙の発祥地は中国やヨーロッパであり、日本ではない」という言説が時折議論を呼びます。歴史的事実を検証すると、この噂の背景には「製紙技術の伝来」と「紙を折る行為の発生」の混同が存在していることが浮き彫りになります。
紙そのものは西暦610年(推古18年)頃、高句麗の僧・曇徴によって日本へ伝わったと『日本書紀』に記されています。中国製紙技術伝来を経て、日本では独自に薄く強靭な「和紙」が漉かれるようになりました。紙を折る行為自体は、紙が存在した古代中国や、16世紀頃のスペインやドイツなどヨーロッパ伝統折り紙(洗礼証書を包む紙折りや食卓のナプキン折り文化)にも独自に見られます。
しかし、四角い紙を切らずに複雑な動植物を立体造形する「遊戯としての折り紙」を確立し、大衆文化として花開かせた点において、折り紙起源の真相は日本独自の進化プロセスにあるというのが研究者の共通見解です。工芸史や民俗学の調査報告によると、海外のペーパーフォールディングと日本の折紙は互いに異なる文脈で発生し、近代において融合したと結論づけられています。