地上波から巨人の試合が消えた事実をもって、ネット上ではしばしば「プロ野球はオワコン化した」「若者の野球離れでテレビから追い出された」という極論が語られがちです。しかし、球界の経営データと現場の実態を精査すると、この認識は明確な誤解であることが分かります。
一般社団法人日本野球機構(NPB)の公式発表データによると、読売ジャイアンツの主催試合における観客動員数は、2024年から2025年、そして2026年に至るまで連日4万人規模の満員御礼を記録しており、年間総動員数は300万人前後と過去最高水準を推移しています。さらに、球団のグッズ売上やファンクラブ会員数、東京ドーム内の飲食消費額は右肩上がりの成長を続けています。
つまり、失速したのは「野球人気そのもの」ではなく、「地上波テレビという薄く広いマス広告ビジネスと、現代のプロ野球コンテンツとの親和性」に過ぎません。球団経営の視点から見れば、テレビ局に安値で買い叩かれる放映権に依存する時代は終わりを告げました。球団自らが「GIANTS TV」などの直販プラットフォームを運営し、球場演出を進化させ、熱量の高いファンからダイレクトに収益を上げる「D2C(Direct to Consumer)型ビジネス」へと構造転換を遂げた結果が、現在の放送環境なのです。