放送から年月が経った現在、ネット上のレビューサイトやSNSでは『炎の犬』に対して二つの対照的な声が見受けられます。
一つは、「子供の頃に見て最終回で大号泣した」「犬と人間の究極の絆を描いた不朽の名作」という絶賛の声。もう一つは、「最終回で犬が死んでしまうのがショックすぎてトラウマになった」という意見です。一部のネット上の掲示板では「後味が悪すぎるバッドエンド」と誤解されることもありますが、これは作品の本質を見落とした解釈と言えます。
原作者の西村寿行が描こうとしたのは、安易なハッピーエンドではなく、大自然の冷徹な掟と、それに抗ってまで愛する主人のもとへ帰ろうとする生命の尊厳でした。リュウセイの死は無情な悲劇であると同時に、愛する人の腕の中で目的を果たし切った「魂の帰還」でもあります。この命のやり取りの重みこそが、安易な娯楽作品とは一線を画す感動を生み出しているのです。