乗用車市場ではほぼ姿を消したSOHCですが、完全に死滅したわけではありません。SOHCの現在と採用車種を検証すると、特定の用途において極めて合理的なメカニズムとして選ばれ続けています。
現在でもSOHCが主力を張っている代表例が、スズキの原付二種スクーターやホンダ・スーパーカブシリーズなどの小型二輪車・コミューター、さらにはオフロードバイクや船外機、農業用汎用エンジンです。四輪車では、ダイハツのKF型(一部商用グレード)や海外新興国向けの実用トラック、スバルのサンバー(旧型EN07系)などが中古市場や一部特殊用途で今なお絶大な支持を集めています。
ベテラン自動車整備士への取材やオーナーコミュニティの声を検証すると、SOHCならではの明確なメリットが浮かび上がります。
「プラグ交換やタペット調整の作業性が圧倒的に良い。DOHCのように2本のカムシャフトの間に深いプラグホールを掘る必要がなく、シリンダーヘッド周りがコンパクトだから狭いエンジンルームでも手が入りやすい」「シリンダーヘッド重量が軽いため、車体の重心が低くなり、ハンドリングの回頭性が素直」
エンジン構造と整備性という観点において、SOHCのシンプルな造形美とメンテナンスのしやすさは、現場のメカニックにとって今なお語り草となっています。