順風満帆に見えた名優一家がバラバラになり、杏さんと父親の間に深い確執が生まれた決定的な理由は、母・由美子さんの背負った巨額の借金と、それに伴う両親の泥沼離婚裁判にありました。
渡辺謙さんの白血病闘病中、母・由美子さんは夫の病気平癒を祈願する中で特定の宗教団体に深く傾倒していきました。その過程で、信者や親族、子どもの同級生の保護者らから多額の金銭を借り入れ、その総額は約2億円にまで膨らんだと報じられています。
病を克服して俳優復帰を果たした渡辺謙さんは、自宅の差し押さえや借金取りの対応に追われる中で、2002年に離婚調停を申し立て、裁判へと発展しました。法廷では、母親側の「夫の度重なる女性問題が原因」という主張と、父親側の「コントロール不能な借金問題」という主張が真っ向から対立。2005年に正式な離婚が成立するまで、家庭内は完全に崩壊していました。
当時高校生だった杏さんは、生活費と兄・渡辺大さんの大学進学費用を稼ぐため、自らの意思で高校を中退。借金返済に追われる母を支える道を選び、居酒屋でのアルバイトやモデル業に身を投じました。多額の負債を抱えたまま家族を去り、すぐに再婚へと進んだ父・渡辺謙さんに対し、多感な時期の杏さんが深い怒りと失望を抱き、絶縁状態となったのは極めて自然な成り行きでした。