インターネット上の掲示板や検索窓では、「ゲップが腐った卵の臭いがする」「ドブのような異臭がする」という切実な悩みが散見されます。無臭のゲップが大半であるのに対し、明確な腐敗臭を伴う場合は、消化器系内部で異常事態が進行している証拠です。
ゲップが臭い病気の真相は、胃や十二指腸の通過障害に伴う「内容物の異常発酵」にあります。通常、胃に入った食物は数時間で十二指腸へと送り出されます。しかし、胃潰瘍の瘢痕化や進行した胃がん、重度の胃麻痺によって胃の出口(幽門部)が狭くなると、滞留した食物が胃酸や細菌の作用で腐敗し、硫化水素(温泉の硫黄臭に類似した悪臭ガス)を発生させます。これが逆流して口から排出されたものが、いわゆる「腐敗臭ゲップ」です。
ネット上でよく見られる危険な誤解として、「胃もたれやゲップが続くときは炭酸水を飲んでスッキリさせればよい」という俗説があります。一時的に胃内の空気が押し出されて爽快感を得られるように錯覚しますが、実際には炭酸ガスによって胃内圧が急上昇し、食道括約筋を無理やりこじ開けるため、逆流性食道炎を著しく悪化させる引き金になります。消化管への不要な刺激は百害あって一利なしと心得るべきです。