富士山プリンスルートが多くの登山愛好家やリピーターから絶大な支持を集め続ける最大の理由は、「圧倒的な絶景」と「過密な混雑の回避」を完璧に両立している点にあります。
メジャーな吉田ルートや富士宮ルートの直登コースでは、夏の最盛期になると登山道に行列ができ、自分のペースで歩くことすら困難なケースが珍しくありません。一方、プリンスルートで辿る宝永山火口周辺や御殿場ルートの上部は登山者の密度が適度に保たれており、静かな環境で山と向き合うことができます。
さらに、1707年の宝永大噴火によって形成された巨大な宝永火口をすり鉢の底から見上げる光景は、まるで月面や火星に降り立ったかのような異世界感を放ちます。荒々しい赤褐色の山肌、抜けるような青空、そして眼下に広がる駿河湾のグラデーションが織りなすパノラマは、他のルートでは味わえないプリンスルートならではの醍醐味です。