債務償還年数10年超は融資停止?銀行審査の危険水準と改善策

債務償還年数10年超は融資停止?銀行審査の危険水準と改善策

債務償還年数10年超は融資停止?銀行審査の危険水準と改善策について見逃せない 注意点を分かりやすい構成で解説いたします。

自社の数値を正確に把握するためには、銀行員が実際に用いている計算ロジックを理解する必要があります。債務償還年数は、大枠として「有利子負債(借入金総額) ÷ 年間キャッシュフロー」で求められますが、実務では複数の計算パターンが存在します。

1. 最も基本的な「簡易キャッシュフロー」による計算方法

決算書の損益計算書(P/L)から素早く算出する場合、次の算式が広く用いられます。

債務償還年数 = 有利子負債 ÷ 簡易キャッシュフロー
※ 簡易キャッシュフロー = 経常利益 ×(1 - 実効税率 約30%) + 減価償却費

減価償却費は損益計算書上では費用として計上されますが、実際には手元から現金が流出していないため、利益に足し戻して返済原資(キャッシュ)として評価します。経常利益から法人税等を差し引いた「手元に残る実質利益」と減価償却費の合計が、年間の借入返済原資となります。

2. 銀行審査で用いられる「実質有利子負債」の調整

金融機関の厳密な審査では、分子の有利子負債から「正常運転資金(売掛金 + 棚卸資産 - 買掛金)」を控除するケースがあります。事業継続に不可欠な運転資金を除いた実質的な有利子負債をベースに評価することで、真の返済負担年数を測定します。

また、分子から現預金のうち「手元流動性(月商1〜2ヶ月分)を超える余剰現預金」を差し引く「ネット有利子負債」で計算される場合もあり、現預金を厚めに保有している企業は表面上の年数よりも有利に評価されます。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。