巨大プロダクションである吉本興業の層の厚さは今なお圧倒的だが、近年の賞レースではインディーズ出身者や異色の経歴を持つ新星たちが波乱を起こしている。王道のツッコミを排したノンストップのボケ合戦、あるいは演劇とコントの境界線を極限まで曖昧にしたストーリー仕立ての展開など、既存の型に収まらない表現者が続々と頭角を現してきた。
今年度の大会で一躍脚光を浴びた注目コンビは、結成数年とは思えぬ圧倒的な舞台度胸と、SNS時代にアジャストした短尺フレーズのフックを併せ持つ。彼らが放つ独特のグルーヴ感は、従来の漫才やコントの文脈を知らない若年層の心をも一瞬で掴み取った。一夜にして人生が一変するシンデレラストーリーは、まさに賞レースというシステムがもつ最大の醍醐味だ。