横手高校といえば、県内有数の進学校として知られる。厳しい学業とハードな部活動の両立は容易ではない。限られた練習時間をいかに密度濃く使うか。監督から提示されるメニューをこなすだけでなく、選手自らがグラウンドでの戦術論議を主導した。
秋田大会の土壇場で発揮された驚異的な粘り強さは、この自主性から生まれている。9回裏2死からの逆転劇を演出した主将の言葉が印象的だ。「僕たちには失うものがない。冬の間、狭い室内で仲間と議論し尽くした戦術が頭に入っていたから、誰も焦っていなかった」。追い詰められた局面で見せた落ち着きは、まさに知性と執念の結実だった。