『serial experiments lain』は、アニメとゲームが同時並行で企画されたメディアミックス作品ですが、両者の体験設計は大きく異なります。
1998年11月に発売されたPS版『lain』は、通常のアドベンチャーゲームのような一本道のストーリーラインを持ちません。プレイヤーは、玲音のカウンセリング記録(音声・動画・テキスト)や彼女自身の日記データを断片的に再生しながら、プレイヤー自身の頭の中で物語を再構築していくという極めてアバンギャルドなシステムを採用していました。
PS版が「伝説の鬱ゲー」と呼ばれる理由は、玲音の精神が徐々に蝕まれていく過程と、彼女を治療しようとしたカウンセラー・米良柊子自身が狂気に呑まれていく肉声データが生々しく記録されているためです。最終的に玲音自身が迎える凄惨な結末は、当時のプレイヤーに深いトラウマを植え付けました。
現在でも公式なデジタルリマスター移植が行われていないことから、ネット上ではPS版のプレイ動画や実況配信を巡る需要が非常に高く、オリジナルディスクの取引相場は高騰を続けています。