「クエン酸は食品にも使われているし、酸性だから菌が繁殖せず半永久的に日持ちする」という言説がネット上で散見されますが、これは清掃衛生管理の観点から見ると極めて危険な誤解です。
市販のボトル入り洗剤には防腐剤や静菌剤が添加されていますが、水道水とクエン酸の粉末だけで自作したスプレーには防腐成分が一切含まれていません。さらに、水道水に含まれる残留塩素はクエン酸の投入や時間の経過とともに急速に揮発・失活します。その結果、空気中の浮遊菌やホコリがボトル内に侵入し、約2〜3週間が常温保管の限界となります。特に室温が高くなる夏場や、湿度が高い洗面台・風呂場まわりに放置した場合、1〜2週間程度で液が濁ったり、底に浮遊物(カビや雑菌のコロニー)が発生する事例が確認されています。
不衛生なカビ水を部屋中に噴霧してしまっては本末転倒です。「水200ml」という少なめの分量で作る理由は、まさにこの「2〜3週間以内に気持ちよく使い切るための適正容量」だからです。使い切れなかった分は潔く排水口へ流し、その都度新しく作り直す習慣が、清潔な住環境を維持するプロの知恵です。