彼の歩みを語る上で外せないのが、伝説的な喜劇人たちとの交流だ。特に『みごろ!たべごろ!笑いごろ!』などで爆発的なブームを巻き起こした小松政夫とのコンビネーションは、日本のコント史に金字塔を打ち立てた。「ベンジャミン伊東」や「電線音頭」で見せた狂気的なナンセンスさは、二人の絶妙な信頼関係と互いの「ニン」を知り尽くしていたからこそ成立した代物だ。
また、てんぷくトリオ時代からの盟友・三波伸介との思い出も深い。楽屋での密やかなネタ合わせ、互いの間合いを測り合う真剣勝負。当時の楽屋裏では、舞台上の賑やかさとは対照的に、笑いに対するストイックな議論が夜遅くまで交わされていたという。相手の「ニン」を引き立てながら、自身の「ニン」も活かす。その掛け算が、昭和のテレビ演芸黄金期を支えていた。