なぜそこまで生理中の採尿が嫌がられるのか。理由はいたってシンプル、検査精度の低下だ。尿検査で使われる定性試験紙は、血液中のヘモグロビンが持つペルオキシダーゼ様活性に敏感に反応する。この化学反応の感度は凄まじい。ほんの目に見えないレベルの経血が混ざっただけで、試験紙は即座に「+」や「++」を示してしまう。
これが医療現場で恐れられる「偽陽性」の正体だ。腎臓や尿管には何ら病変がないにもかかわらず、検査用紙には「尿潜血陽性・要精密検査」の文字が刻まれる。結果として、後日わざわざ仕事の都合をつけて泌尿器科や内科を受診し、痛い出費と時間をかけて再検査を受けるハメになる。無駄なストレスを抱え込む典型的なパターンと言える。