ハイテク産業の隆盛と聞くと、古くからの地域コミュニティや伝統産業との衝突を連想しがちだ。しかし、石狩の街を歩いてみると、そこにあるのは対立ではなく不思議な調和である。
名物「石狩鍋」のルーツとしても知られるこの地では、江戸時代から続く鮭漁の歴史が今も大切に受け継がれている。地元の漁業者や市民と、新しく進出してきたIT企業・エネルギー企業との間では、積極的な対話と地域貢献の試みが重ねられてきた。例えば、データセンターの排熱を利用したアワビや海藻の陸上養殖実験、売電収入を活用した地元の景観保護や水産資源の保全活動など、持続可能な地域づくりの具体例が次々と生まれている。