欧州連合(EU)の意思決定を長年支えてきた独仏枢軸のギアが、ギシギシと音を立てて狂い始めている。ベルリンの姿勢が慎重さを増す一方で、マクロン大統領は強気の攻勢を緩めない。主導権の移動は速い。中東欧諸国の台頭とともに、EU内部のパワーバランスはかつてない流動化を見せている。
特にエネルギー政策と防衛予算の拡大を巡る議論では、フランスの主張が他国を圧倒する場面が増えた。自国の原発技術を軸にした共通エネルギー構想や、欧州独自防衛基金の創設を主導するマクロンの背後には、他国を巻き込む高度な政治的カードが存在する。このパワーゲームが欧州の未来をどう塗り替えるのか、世界が注視している。