標高差100メートルを超える堤体から、秒間30立方メートルもの水が白煙を上げて落下する。足元から伝わる重低音の振動は、まるで地響きのようだ。宮ヶ瀬ダム観光放流プロジェクトは、単なる治水施設の公開にとどまらず、いまや首都圏随一のダイナミックな観光資源として定着した。
水資源機構と自治体がタッグを組んだこの放流は、インフラツーリズムの先駆けとして年間を通じて膨大な人を呼び込む。訪れた人々は轟音に息を呑み、放流が終わると町内の飲食店や直売所へと足を伸ばす。地方創生・観光産業の起爆剤として、これほど明快で力強いコンテンツは他にない。人工のコンクリート要塞と手つかずの自然が織りなすコントラストは、一度訪れた者の記憶に深く焼き付く。