総務省の通信利用動向調査の推移を見ると、単身世帯における固定電話の保有率は20%未満にまで落ち込み、20代から30代に限れば固定電話をそもそも契約していない層が大多数を占めます。この地殻変動に対し、2026年現在の報道機関各社のRDD調査は、発信対象の70〜80%を携帯電話(スマートフォン)へ配分する設計がデファクトスタンダードとなりました。
しかし、携帯電話へのシフトが完了した現在も、現場は別の深刻な壁に直面しています。スマートフォンのOS標準で搭載された「迷惑電話ブロック機能」や通信キャリアによる警告表示、見知らぬ番号を着信拒否するユーザー心理の定着です。調査会社関係者の証言によると、架電システムから発信されたコールのうち、呼び出し音が鳴る前に切断または拒否される割合は全体の6割に達しています。
有効回答率の長期低下傾向は極めて深刻です。かつて固定電話全盛期には60〜70%を誇った回答率は、現在では固定電話で40%台前半、携帯電話では20〜30%台まで落ち込んでいます。この回収率の低下を補うため、調査会社は1,000件の有効回答を得るために数万件単位のコールを試行せざるを得ず、調査コストは1回あたり数百万円から一千万円規模にまで跳ね上がっています。