ミーアキャットの代名詞とも言える「2本足で直立するポーズ」には、動物行動学的に極めて重要な2つの目的があります。
1つ目は、「腹部による日光浴(体温調節)」です。砂漠の夜は放射冷却によって著しく気温が低下します。ミーアキャットは皮下脂肪が非常に薄いため、朝目覚めた時点では著しい低体温状態に陥っています。そこで、朝日が昇ると巣穴から出て太陽に正面を向け、被毛が薄く皮膚が黒ずんでいる腹部に直接熱を吸収させることで、低下した体温を急速に回復させています。
2つ目は、「周囲の警戒と群れの防衛」です。ミーアキャットは通常、20〜30頭規模の「モブ」または「バンド」と呼ばれる群れを形成して暮らしています。採食活動を行う際、必ず1頭から数頭の「見張り番」が高台や塚の上に立ち、タカやジャッカルなどの接近を監視します。危険を察知した見張り番は、天敵の種類や距離に応じて異なる鳴き声(警戒音)を発し、仲間を一瞬で地下の巣穴へ避難させます。