当時の撮影現場を知るスタッフや関係者の証言を紐解くと、そこには極限の緊張感と美へのこだわりが存在していたという。スタジオのライティング一つ、自然光の差し込む角度一つに至るまで、妥協なき追求が重ねられた。カメラマンとの呼吸の合わせ方、肌の質感の生かし方。早瀬久美自身もまた、被写体としてどのように身体を空間に馴染ませるかを徹底的に計算し尽くしていた。
「恥じらいを見せるのではなく、存在そのものをアートとして空間に置く」。そんな姿勢で撮影に臨んでいた彼女の集中力は、周囲のスタッフを息をのませるほどだったと伝わる。静寂の中でシャッター音が響くたび、ひとつの芸術が立ち現れる。知られざる撮影の裏側には、表現者としての徹底的な自己プロデュースとプロフェッショナリズムが満ち満ちていたのだ。