愛知県を中心に三重県や岐阜県にまたがる中京工業地帯は、今なお年間出荷額で他を寄せ付けない圧倒的トップに君臨している。そのエンジンを駆動してきたのは、言わずと知れたトヨタ自動車株式会社を中心とする自動車製造業の巨大サプライチェーンだ。
だが、その強固な城塞にも「EV(電気自動車)シフト」という未知の地殻変動が押し寄せている。エンジンパーツを製造してきた無数の下請け企業は、部品点数が激減する次世代車両への転換を迫られている。重化学工業と精密機械が高度に融合したこの地で、トヨタが推し進める「マルチパソウェイ戦略」が功を奏するか否か。中京の圧倒的王座が未来永劫続く保証はどこにもない。