放送終了から年月が経過した今も、検索エンジンでは「グッド・ドクター 続編」のキーワードが後を絶ちません。米版がシーズン7までロングランを記録したこともあり、「なぜ日本版はシーズン2が制作されないのか」という疑問は多くの視聴者が抱き続けています。この疑問の背景には、日本のドラマ制作における構造的な事情が存在します。
第一の要因は、山﨑賢人の代表作・ドラマ経歴におけるスケジュールの過密化です。本作以降、山﨑はNetflix世界的大ヒット作『今際の国のアリス』シリーズをはじめ、『キングダム』シリーズや『ゴールデンカムイ』など、邦画・配信ドラマ界の最高峰メガヒットプロジェクトの主演を立て続けに務める超多忙なトップランナーへと飛躍しました。数ヶ月にわたる連続ドラマの拘束時間を確保することが物理的に極めて困難な状況が続いています。
第二に、日本版のストーリー構築が「1クール(全10話)で極めて美しく完結している」という制作上のクリエイティブな判断です。湊が周囲に受け入れられ、一人前の医師への第一歩を踏み出すという主題は、第10話のラストで見事なカタルシスを迎えて着地しました。無理な引き伸ばしをせず、完璧な余韻を残したからこそ、本作は名作としての評価を不動のものにしています。現在、公式な続編発表はありませんが、FOD等の見逃し配信動画プラットフォームでは常に人気ランキング上位を維持しており、スペシャル単発ドラマやスピンオフへの期待は依然として燻り続けています。