今でこそ世界的な投資家として知られるが、原点は間違いなくエンターテインメントの表舞台にあった。大手芸能プロダクションであるホリプロに所属し、タレントとして頭角を現した彼女は、瞬く間にテレビ画面の常連となる。明るく親しみやすいキャラクターで視聴者の心を掴む一方、女優としての才能を開花させたのが、日本映画史に残る名作映画『マルサの女』への出演だった。
巨匠・伊丹十三監督の緻密な演出のもとで見せた迫真の演技は、彼女の中に眠っていた「本物を見極める眼」と「徹底したプロ意識」を呼び覚ます契機となった。華やかなライトの下で演じる喜びを知ると同時に、映画制作の現場で学んだ「数字と人間の欲望が交錯する現実」は、後に彼女が投資の世界へ足を踏み入れる際の思考的ベースとなったのは間違いない。