彼女の音楽史を振り返ると、人生のドラマと楽曲の変遷が鮮やかに重なる。社会現象を巻き起こした『さくらんぼ (曲)』のキュートで爆発的なエネルギーは、平成のJ-POPカルチャーそのものだった。しかし、大塚愛の本質は底抜けの明るさだけではない。
社会現象となった伝説的ドラマ『花より男子2(リターンズ)』のイメージソングとして大ヒットを記録した『プラネタリウム (大塚愛の曲)』。切なくも美しいあのバラードに宿っていた叙情性は、私生活の嵐をくぐり抜けたことで、より一層のリアリティと説得力を帯びていく。人生の光と影を痛烈に知るシンガーソングライターだからこそ奏でられるメロディが、そこにはあった。