現在、富士急ハイランドで猛威を振るう「戦慄迷宮」のリタイア率は、およそ15%から20%の間を推移している。実に挑戦者の5人に1人が途中で脱落している計算だ。グループで意気揚々と入場しながらも、途中のチェックポイントでパニックに陥り、涙を流しながら棄権を申し出る来場者の姿は日常茶飯事となっている。
最新の演出強化においては、従来の視覚的な脅かしだけに頼らない「五感のシャットダウン」と「心理的孤立」が徹底的に追求された。照明の減衰スピードはミリ秒単位で調整され、人間の目が暗闇に慣れる隙を一切与えない。さらに、かつてないほどリアルに再現された腐臭や湿気、背後から囁くような立体音響システムが導入されたことで、挑戦者の精神的キャパシティは入場直後から一気に飽和状態へと追い込まれる。