国や年代、ジャンルは異なれど、作品に圧倒的なリアリティを与えるのは稀代の名優たちの演技力だ。ドラマ『ホームタウン -消えた街-』でトラウマを抱えた刑事役を怪演したユ・ジェミョンは、視線ひとつ、吐息ひとつで人間の内面に潜む狂気と孤独を表現してみせた。
一方、映画『故郷』で主演を務めた倍賞千恵子は、昭和の厳しい現実と向き合う女性の強さと脆さを情感豊かに描き出した。山田洋次演出とユ・ジェミョンらの圧倒的な演技構築力。このふたつの名作に共通するのは、演者の魂の叫びがキャラクター同士の相関関係に血を通わせ、観客の感情を激しく揺さぶる点にある。