選挙と同時に行われる最高裁判所裁判官国民審査においては、白紙票が持つ意味がさらに特殊かつ致命的なものになります。選挙における無効票とは異なり、国民審査で「×」を記入せずに白紙のまま投じた票は、法的にすべて「可(罷免に反対=信任)」としてカウントされる仕組みになっているからです。
つまり、裁判官に対する不満や疑問を感じて白紙で提出したとしても、システム上は「その裁判官を全面的に認めた」と判定されます。制度を知らないまま白紙を投じることが、自らの意図とは真逆の信任票に化けてしまう。この事実を知ったとき、多くの有権者が言葉を失います。自身の権利を行使するどころか、知らず知らずのうちに意に沿わない権力を追認させられるリスクがここにあります。