長編シリーズにおいて作画の質を極限まで維持することは、アニメ業界の常識から見れば至難の業だ。それを可能にしている立役者が、本作のキャラクターデザインおよび総作画監督を務める松島晃である。太く力強い輪郭線と、キャラクターたちの切実な感情が滲み出る眼差しの表現。彼の圧倒的な筆力と徹底した作画管理によって、どの画面を切り取っても劇場クオリティを保つ驚異的な統一感が生まれている。
特に印象的なのは、激しいバトルアクションの最中でも崩れない顔の造形だ。炭治郎や禰豆子をはじめとするキャラクターたちの表情には、恐怖、怒り、そして悲哀が克明に刻まれる。線の一本一本に魂を込める修正作業が、膨大なカット数に及ぶバトルシーンのリアリティを根底から支えている。