他社の大盛りカップ麺が200円台後半へシフトする中、ごつ盛りが100円台半ばの実売価格をキープできている背景には、綿密に計算されたメーカーの製造・販売戦略が存在します。取材を進めると、単なる原材料のコストカットにとどまらない、東洋水産の技術力と合理化の結晶が見えてきました。
最大の要因は、パッケージや包装資材の徹底的なコストダウンです。ごつ盛りの容器には過度な装飾や多重構造を使わず、非常にシンプルで強度の高い発泡スチロール成型を採用しています。さらに、粉末スープやかやくの小袋を減らす、あるいは最初から麺と一緒に充填しておくなどの工夫により、充填工程の人件費と包材費を極限まで削ぎ落としています。
2つ目は、専用ラインでの規格統一による超高速大量生産です。麺の配合や太さをシリーズ全体で極力統一し、東洋水産の国内主要工場で24時間体制に近い稼働率を維持することで、1食あたりの固定費を劇的に圧縮しています。そして3つ目が、流通における「特売用目玉商品(ロスリーダー)」としての立ち位置です。小売店側も集客用として薄利で大量仕入れを行うため、店頭価格が常に低く抑えられる好循環が生まれています。